hotcafe ほっぺた館 |
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なぜか2年余も書き込み出来ず、知らないうちに直ったけれど、色々あった2年間をざっくり思い出す。
2018年は移住して3年目、まさに過渡期だった。東京から懐かしい人が泊まりに来たり、遠くから思いがけない人が来てくれたり楽しいこともあったけど、カフェ来客もイベント参加者も全体的に少なく、虹のしっぽという場所をもっと活かすにはどうしたら良いか悩んでいた。そうこうしているうち外壁が崩れ始めた。手が回ってなかった外装工事を空いた時間に慌てて行った。私は日々少しずつシャッターに絵を描いた。カッコ良い模様はどうかなと私は思ったが、Hの希望で虹のしっぽに存在して欲しい可愛いキャラ達と手を繋げるようにした。流星、うき雪ダルマン、アカンボー、未来を見ることの出来る少年、ふくふくおばあさん、笛吹じいさん、ソフトクリーム姫。通りすがりの小さな子が「ママ見て!絵を描いてるよ!」と言ったのに「そっちを見てはいけません!」とママの声、なんで見ちゃいけないのおー?と聞いてみたかった。(苦笑) 虹のしっぽは幸い被害が無かったからカフェを通常営業していたら、余震の恐れか近所の御家族が何組もランチに来た。普段からキャンプのように七輪とカセットコンロで調理しているのが幸いした。停電復旧が遅かった地域の方が充電していったり、どこも開いてないと一杯の珈琲を求めて来た人もいた。 ところが中には「こんな時にもやってるなんてスゴい根性だ。」などと言ってくる人達もいて呆れた。店は商売の場としか考えられないような時代遅れの感覚の人達と、自然災害が増えている中で協力し合えるのだろうかと不安を覚えた。 遥々海外から開店2周年祝に来てくれる予定だった友達たちも、千歳空港が被災し来れなくなりガッカリ。更に、地震発生から10日も市内の体育館に救いの手が届かなかった被災者が大勢居た所を目撃してしまい、ひどく落胆してしまった。 2019年は、以前みてもらった占い師さんにも運気良しと言われていたが、確かに活気ある年だった。新たに民泊も開業すると、雪祭時期に世界中から15組も宿泊に来てくれた。片言の日本語を話せてマナーも良いお客様ばかり、交流も楽しかった。 ともかく今年は虹のしっぽでしか出来ないことをやろう!と、3回目の『真冬の魚_座劇場』は皆で共演にチャレンジすると、良い緊張感のあるイベントとなった。私達も結城幸司さん原作の『マカヨカムイの坂道』が、もうすぐ春だよ~!と観客なしの圧巻全員参加即興雪庭劇となった。 春のカフェ再開後、平田篤史×結城幸司・二人展を北海道初開催。GWのお二人のワークショップもそれぞれ盛り上がった。 演劇公演も次々行い、5月には移住後初の市電公演『煙のむこう』に先輩の新井純さんが特別出演をして下さった。 いつかまた一緒にと願いながら月日が経ってしまったので、相談しながら新しい役を作ったり稽古は楽しく、純さんの応援のお陰で遠くから観に来て下さったお客様方もあった。純さんの即興演技を間近に見れたれたこと、「成長したわね」と言って頂けたことが嬉しかった。楽屋も無いのに文句も言わず、面白かった!なんて懐のベテラン女優の後輩であることは私の誇り。68/71黒色テント以来30年ぶりの共演!なのに、ふと昔の旅の続きのように感じる瞬間があって不思議だった。 不思議といえば、そのあと結城さん主催で奈良裕之さんとボブ・サムさんの巡礼ライブを行った際、アラスカからお越しのボブさんのお住まいシトカは何処?と話した時、純さんがアラスカに行って来たとお土産をくださったのを思い出した。アラスカ地図のプリントTシャツをテーブルに広げると、ボブさんが微笑んでシトカの位置を指差した。以前、純さんはアラスカ先住民の老女を演じたこともあり、繋がりを感じた。 その後虹のしっぽに来たのはキムンカムイ。8月2日早朝、敷地のド真ん中に痕跡があり、それから何日も近隣をうろつき全国ニュースを賑わした末、とうとう撃たれてしまった。『だ★か★ら俺を熊と呼ぶな』はそのカムイの追悼公演となった。 秋に新作『あめあめあめ』を披露するはずが、飛ばし過ぎてHがダウンした。1日だけで済んだが、疲れは明らかで公演は延期。3周年祝で初めてテーブルが埋まったボチボチカフェも臨時休業してしまい、旅に出た。 ゆっくり海沿いを走り道東方面へ。晴天に恵まれ素晴らしい景色を味わい、出逢った人達や道内の久しぶりに会う人達との語らいでリフレッシュ。 さて!と思ったら、雪不足とコロナ禍がジワジワ来て雪祭り時期の宿泊も1組だけ。今年も行くから!とメールくれてたヨーロッパの女子も来られなくなった。 4回目の「真冬の魚_座劇場」は不安もありつつギリギリ開催でき、今年も共演チャレンジで私達は結城さん原作『熊運呼』皆さんと雪庭で運呼!を連呼できたが、直後に北海道緊急事態宣言が出た。数年ぶりに遊びに来る予定だった息子も来られなくなった。 カフェ再開の頃に解除となり、もともとテイクアウト可能メニュー、もともと営業時間短いので、いつも通り開店することにした。 秋から延期した新作も誰も来なくても演ると決め稽古、清掃消毒とマスク着用、6名限定で密を避け、2ステージのみ公演すると遠くから観に来て下さった方もいて励まされた。直後にまた緊急事態宣言。世界中、日本国内も移動はおろか日常生活も困難な状況となってしまった。 今、私達は虹のしっぽで相変わらず淡々と活動している。4年目のカフェには結城さんのカエルや鳥や海の生き物の楽しい作品が並び、馴染みのお客様が散歩がてら顔見せに来てくれたり、新しいお客様もポツポツ訪れている。また芝居やって下さいよと声をかけられる。ああ、嬉しいなぁ。 低空飛行であっても続けられる喜びを感じつつ、Hが庭に土中の石積んでピザ窯を作っている。 密や忖度と無縁の虹のしっぽへ、私達が元気でやってるうちに、どうぞ深呼吸に来て下さい。(Y)
by mokelembembe
| 2020-06-07 00:53
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