人気ブログランキング |

hotcafe ほっぺた館


モケレンベンベ・プロジェクト
by mokelembembe
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

Tちゃんの花束

c0220170_1521424.jpg

〜チンチン電車で心の小旅行〜『桃の実』東京公演は、7月17日(土)2時発に決まった追加の回を残して一旦無事に終了した。各回何かしらハプニングがありながら、満席で盛況に公演ができたこと。初日の特別企画、中川文子さんのお話や、上野の「広島・長崎の火」へも参加して下さった方が思ったより多かったことは、旅の大きな励みとなった。

ほんのひとときの触れ合いかもしれないが、色んな人と普段と違う時間を共にして、想いを共有できるのはやはり楽しいこと。「暗い気持ちに覆われて、生きている時間を楽しまなければ、原爆に負けたことになる。」というのは、長崎の和田さんからお聴きした言葉・・・

東京公演の4回目は雨だった。過去不思議と雨に当たることがなかったから不慣れで、傘対策や道具の処理にバタバタ!終演後ろくにお客様ひとりひとりに挨拶することもできなかった。ごめんなさい!

そんな中、いつも必ず観に来てくれる幼なじみのTちゃんが、大きな花束をくれた。花より団子の似合う私でも、やはり嬉しかった。「桃の実は3度観たけど、今回が1番グッと来たかも。ありがとうね。」と忙しそうな私達に遠慮しながら言ってくれた。昔から優しい人柄である。

幼なじみといっても、Tちゃんとは小学校1、2年しか同じクラスになったことがない。たまたま家が近く帰り道が一緒だったのと、三人姉妹という共通点で、2年間はよく遊んだ。
Tちゃんは学校では、しょっちゅう男の子に泣かされていた。Tちゃんの「えーん、助けて〜。」というか細い声がどこからか聴こえると、男の子より足が早くケンカも強い私が風のように駆け付けて、いじめる男の子を片っ端からボコボコにした。そんな調子だったから、クラスが別れて遊ばなくなっても、Tちゃんは泣き虫のおとなしい女の子とばかり思っていた。

Tちゃんは中学の時、引っ越しのため転校して行った。高校も違うし、本来なら疎遠になるはずだった。ところが、なぜか何かの節目節目に道端や電車などでバッタリ遭遇した。

私が演劇の道へどう進むか悩み多き高校の時、Tちゃんはバンドをやっていると楽しそうで励まされた。私が劇団に入り貧乏でヘロヘロになっていた時、Tちゃんも仕事で失敗ばかりだと話してくれた。私が劇団を辞め10歳以上年上の男と結婚するんだと言うと、私も同じと言って、彼女も10歳以上年上の、明るい性格の男性と結婚した。
モケレの公演は、どんなに忙しくても欠かさず、時には旦那様も一緒に来てくれた。チンチン電車公演の最初の作品づくりにも協力してくれて、初めて電車で試演した時もご夫婦で、お花を抱えて観に来てくれた。
旦那様は私のことを「力のある役者さんだから喜劇をやったらきっと面白いよ!」と言ってくれた。その時、旦那様はかなり痩せておられた。ガンだった。

よし!2作目はもう少し喜劇的要素を入れようと考えたが、下敷きの『青い鳥』があまりに深い物語のため、台本作りに丸一年掛かってしまった。やっと上演できることになった時、Tちゃんの旦那様はすでに歩けなくなっていた。Tちゃんは看病の合間にも観に来てくれたので、ビデオに撮って渡すと、旦那様は病室で「やっぱり面白いなあ!」と食い入るように観てくれたそうだ。
程なくして、旦那様は亡くなった。私は数回しかお会いしたことがないくせに、亡きがらを前に泣いてしまった。
Tちゃんは毅然として「泣かないで」と励ましてくれた。その時、「あれ?Tちゃんて、何て強い女性なんだろう!いつの間にか子供の頃とまるで逆になっちゃったじゃないかー!」と思った。
Tちゃんは今、旦那様の経営していた渋谷のど真ん中のお店を引き継ぎ、店長をやっている。
相変わらず優しい人柄で、「店長はどこだ!」と怒るお客に「私です。」というと、ズッコケられるそうだ。
そのしなやかなたくましさに圧倒され支えられ、私は泣きながら旅に出るのです。(Y)
by mokelembembe | 2010-05-24 15:02
<< 大阪・阪堺電車公演! 旅の始まりへ向けて >>


カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
memo
モケレンベンベ・プロジェクトの
<H> と <Y>が書いています。


モケレンベンベ・プロジェクトのホームページです
mokele web page
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧