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モケレンベンベ・プロジェクト
by mokelembembe
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記憶は蘇る

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図書館への道すがら、かつて軍服を作っていたという工場の煉瓦塀がそのまま残っている。いつも前を通り過ぎる瞬間に、長い歴史を感じずにはいられない重みが、表面の汚れからじわじわ伝わってくる。ところがある日、図書館へ返却期日過ぎた本を慌てて返しに自転車を飛ばして通るとアレレ!?マンション建設が始まったのか、白い幕が張られ、煉瓦塀はほんの数メートルを残し、根っこからスッパリと切断されている。驚いたのは、その切り口の美しさ!まるで新品のように朱く、歴史のことなど何も知らぬ赤ちゃんのように、同じ顔して並んでいる。私は、煉瓦の密度に詳しくなかったからかもしれないが、長く風雨に晒されて中もそれなりの歴史を刻んでいるはずと思っていたので驚いた。新品のような切り口を見ていると、その煉瓦が初めてそこに並べられた時、私がこの世に存在していなかった時に立ち会って居るような気がした。
またその後、同じような感覚に陥った。今年はアイヌの運動家の方々にお会いする機会が何度もあり、ある方に「自分のルーツをちゃんと知っているのか?人として大切なこと」と言われた。確かによくわからなかった。そこで私は思い立ち、両親を伴い先祖を辿る旅に出た。実に数十年ぶりで訪れた父の田舎で、ふと父が「ここに昔、肉屋があったんだ。勿論もう違う店だろうけどね。」と呟き、少年時代買い物した日のことでも思い出すような遠い目をした時、「豚肉、牛肉」という貼紙を見て、その目が飛び出しそうに驚いた。「えーまだやってるのか!?」と父。なんと、そこは今もお肉屋さんだったのだ。私はその時、知るはずもない少年時代のかわいい父が、店へお使いに来た姿が見えるような気がした。
記憶は途切れ途切れでも、時はちゃんと繋がっていて、昔が現在へ色鮮やかに蘇る瞬間があることを知った。<Y>
by mokelembembe | 2009-10-23 09:49
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